香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2006年03月28日

空豆

ようやく春めいて来ました。新しい季節がやってくると、また旬の食べ物が出てきますよね。私も先日、一足早くその旬のモノを頂く事ができました。

とある行きつけの居酒屋で、「採れたてのイイ空豆が手に入ったんでね~、天ぷらにするから食べな!」とご主人。空豆は正直あまり好きではないし、だいいち「空豆の季節にはまだ早いんじゃ??」と思いつつ、生の現物を見せてもらったら・・・なんとまぁリッパで、輝く緑色の鞘の中には4つの豆。巨大な青虫にも見えなくも無いが、とにかく色と大きさに感動。これだけ大きな豆が詰まったモノはなかなか無いそうです。天ぷらを食べてみるとさらに感動・・・どっかの評論家のような表現になってしまうが・・・濃厚でありながら上品な風味で、想像してた豆独特の臭み等は感じられらいものでした。「これが旬の食材が持っている、本来の風味なんですよ。」とご主人。

日本には四季があるので、旬の食べ物をその時期になると最高の風味として味わえる。食文化の変化と食材を輸入に頼る現在では、それを味わう機会も少なくなって来ていると思われますが、日本の自然と風土から得られる素晴らしいモノは大事にしていきたいもんです。

私達、香料の分野に於いても旬とは無関係ではなく、それに因んだ開発や提案を行っています。加工食品などで伝わりにくい旬の風味を少しでも提供出来る様、試行錯誤?を繰り返しています。とは言っても実際、その品種に関わるのは本来の旬の時期よりも何ヶ月も前であり、肌でその季節を感じながら・・・とはいかないので、やはり旬を味わったり感じたりできるのは皆さんと同様、その季節になってからでありますが・・・。

仕事はともかくとして、改めて日本の四季をしっかりと体感していきたいもんですね。

[カオリーマン]

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