香り屋日記

ホーム > 香り屋日記 > 味覚の行方11

香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2007年07月24日

味覚の行方11

来る日も来る日も同じものを食べている動物を見て、人間にも本能的食物があるのではないかということでこれまですすめてきました。その結論として、人間の本能的食物はフルーツだという結論に達しました。ということは、草食動物がひたすら草ばかりを食べ、肉食動物が来る日も来る日も肉を食べ続けるように、人間はフルーツを毎日毎日食していても飽きることがないということになると考えられると思います。
言い換えれば、フルーツの香りというのは飽きることがないと思います。日本人にとってみれば、日本人になじみの深いフルーツは特にそうだと思います。
柑橘のフルーツもいろいろあると思いますが、日本人に古くからなじみのあるのは栗だと思います。栗の歴史はとても古く、縄文時代の遺跡である「三内丸山遺跡(青森県:約5000年前)」からも数多くの栗が出土しているということなので、それだけ古くから栗は食されてきていると考えられます。人間の本能的食物はフルーツですが、その中でも日本人にとって栗の風味は代表的な本能的食物ではないのでしょうか。
つまり、栗の風味は日本人にとって飽きられない風味だと考えます。

[やっとかめ]

PageTop