香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2015年08月04日

食品安全

食品安全委員会が実施したアンケート調査の結果が発表されました。
アンケートの内容は、「日本の現代の食生活等において、健康への影響に気を付けなければならないと考える項目」19項目から、必要の大きい順に10位まで順位付けを行うという
もの。19項目は飲酒や遺伝子組換え食品等です。
アンケート対象者は一般消費者と食品安全の専門家に分けて実施されました。アンケート結果上位5位は以下の通り。

●一般消費者
1位 病原性微生物
2位 農薬の残量
3位 食品添加物
4位 カビ毒
5位 食品容器の溶出物質・ダイオキシン類・カドミウムが同率

●食品安全の専門家
1位 たばこ
2位 病原性微生物
3位 偏食・過食
4位 アレルギー
5位 飲酒

食生活に主眼が置かれたアンケートにたばこが入っているのはやや疑問ですが、一般消費者と専門家との意識に大きな差が出る結果となっています。
専門家は各キーワードを、客観的な視点に基づいて判断していると感じます。
対して一般消費者は、病原性微生物以外ほとんど化学物質で、人工的に作られた物は危険というイメージが先行しているように思います。
アレルギーは重症化した場合、死に至る可能性があるので、食品関連事業者にとってアレルゲンの管理は非常に重要な事ですが、一般消費者では上位に入ってこなかった事も意外でした。
きっと、自分自身や身近な人に食物アレルギーで苦しんでいる人がいない限り、全く関係のない話なのでしょう。
一番気になるのは、あいかわらず食品添加物が危険な物だと認識されている事です。我々が作っている香料も食品添加物です。沢山の材料を使って作られていますが、すべて安全性が確認された物を使っています。しかし、多くの一般消費者には伝わっていないのが現状のようです。
世間からは厳しい目で見られている食品添加物業界、これ以上嫌われないように事故、事件を起こさないように気を引き締めていかないといけませんね。

[にわかランナー]

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