香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2006年05月09日

頑張れ新社会人!

毎年この時期になると、電車でも街中でも新社会人らしき人を多くみかけます。
型くずれの無いピシっとしたスーツにネクタイに靴、そして胸元にはピカピカの社章。
初々しくもエネルギッシュな感じが伝わってきていいもんです。
そんな姿を見ているとつい、当時の自分を思い出してしまいます。
(彼らほどシャキッとはしてなかったと思いますが・・・)

営業という部署に配属されたのですが、専門的な理屈を吸収するにはとても時間がかかる事ですし、すぐに身につけるのは不可能。日々積みかさねて行くしかない。これはどの分野の仕事でもそうだと思います。
ですから、とにかく自社製品の香りを嗅ぎまくって、少しでも体(鼻)に製品のイメージを覚えさせようとしたのを覚えています。やはり製菓用食品香料の王道であるバニラからのスタート・・・通勤カバンでさえバニラ臭ったです。
しかし問題は、トークの部分です。これには悩みました。先輩や上司を見ていると、仕事においてのトークや他人との接し方など・・・今までの学生時代のそれとは違ったもので、とても自分が自然にできるものとは思えなかったのです。

上司との出張先での旅館で、そこのご主人がこっそり私の所に来て、
「カオリーマン君にはカオリーマン君の良さがきっとあるんだから、それを崩したらいかんよ。上司の方とは元々違う人間なんだし、無理に真似たり背伸びする事はないんだよ。無理したって相手にはわかってしまうもんだし、ちゃんとした気持ちさえ持ってれば、それだけで相手には十分伝わるもんやよ。」
自分の無理してる心が、バレてたのですね。。。
今でもその言葉は励みになっていますし、旅館のご主人には感謝しています。

社会においても、若さからこそできる、かけがえの無いものはたくさんあります。
世間でよく言われる、ひたむきでエネルギッシュでetc・・・
私達の仕事においては、風味における感受性の高さもそのひとつではないかと思います。

自分では意識していても、やはり新しい香りの菓子や飲料の風味には、
若い頃の方が今より素直に受け入れられて、かつ敏感であったように思います。
しかし、それとは逆に、歳を重ねた事による経験と知識と、それらの熟成??から
得られたものもあります。今はそれも自分らしさの一部分になってるんでしょうね。。。

新社会人のみなさん、自分らしさを生かして頑張って下さい。

[カオリーマン]

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