香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2006年06月13日
味覚の行方5
先日、奈良の奥地へ家族でハイキングに行ってきました。普段運動らしい運動をしていないので、かなり体に堪えました。新鮮な空気をぐっと吸いながら下に目をやると、道端からひょっこり芽を出しているワラビがありました。ぐっと手を伸ばすと、その横にもにょっこりと顔を出していらっしゃる。まだあるんじゃないかと下をじろじろと。すると、またまた・・・。気づくと山の景色を楽しむなどそっちのけで、地面とにらめっこ。
別にワラビなんてそんなに好きなものでもないし、おいしいものでもないのに、こんなに夢中になってしまうのはいったいどこから来るのだろうかとの疑問が脳ミソの奥底からワラビのようにニョキッとでてくる。
もしかしたら、この探して見つけるという行為が人間の本能ではないのかと、ハイキングから帰り、疲れた体をお風呂につけ、浴槽の上にのっかった自分の足のつま先をぼんやり見ながらふと思ったのです。
次回へ続く
[やっとかめ]