香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2006年10月10日
味覚の行方7
やっとかめです。非常にやっとかめなので、ここまでの話がわかりにくいかもしれませんが、ここまで人間の本能的食物は何なのかを書いてきました。本能的食物なので、パンやご飯のような加工されたものではないとも書いてきました。これに関してのお断りも「味覚の行方6」で書いてきました。では、人間の本能的食物とは何なのでしょう。
これは、以前書いたワラビ採りハイキングにヒントが隠されていると思います。別に高価なものでもないワラビ、それほどおいしいものでもないワラビ、これをどうしてハイキングそっちのけで、必死で探してしまうほど夢中になるのか。ワラビを見つけたときの言い表しようのない嬉しさは、どうして起るのか。この理由付けができないことこそが、この行為が人間の本能的行為である証拠のような気がしてなりません。
なにかを探し見つけるというこの行為、この行為が人間の本能であると思います。この行為が人間の本能であるという視点に立つと、人間が猿から進化したものだという事がうなずけると思います。バナナや木の実を探して、食する猿。木から木へ移り、見つけては食う猿。
つまり、この行為を受け継いだ人間の本能的食物は、木の実・フルーツではないのかと考えられると思います。
次回へ続く
[やっとかめ]