香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2006年10月17日

表現力

最近、仕事をしていて特に感じるのは、香りを言葉に表す際の表現の仕方、
そして相手が伝えようとしている内容に対して、それを的確に受け止める感性の大切さです。
香りそのものを見分けたり、また作りあげる感性というものについては、この業界に入って、それを高める努力をしてきた???かと思います・・・
しかし、自分の思ってるイメージがどれだけ人に正確に伝わり、また他人が思っているイメージが、どれだけ自分の中で一致しているかについては、判りにくいものです。

香りや味というものは、もともと抽象的なものですので、それを言葉に表す事自体が難しいものです。時折、人と話しをしていて、自分の思ってるイメージを表す言葉が見つからない時があります。
心の中では「ほら、アレですよ!」と、自分の中ではイメージが出来上がっているのですが、それをうまく言葉にできない訳です。(単語が出てこないのは、年のせいもあるのでしょうが・・・)逆の場合はもっと問題で、相手が伝えたいイメージを完全に取り違える事になってしまいます。

もし的確な言葉が見つからない場合、別の何かに例えて表現するしかない・・・
せめて、それぐらいはきちんと表現出来るように、できるだけ多くの種類の食べ物に接する機会を持ち、その時に感じたイメージを、頭の中に叩き込んでおくように心掛けてます。頭の中だけでもグルメ通になれれば、表現が豊かになると思いますし・・・まぁ、何かと使い道はあるんじゃないでしょうか???

正しい日本語が失われつつあり、懸念されているという話を聞きますが、それはともかく・・・
いくら素晴らしいモノがあっても、うまく伝わらなければ何にもならない事もあるので、表現力、そして日本語をしっかり身につけるのも大事と思う今日この頃です。

[カオリーマン]

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