香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2007年03月06日
味覚の行方9
人間の本能的行動は「探し見つけて取る」という行動なので、行楽地にある「・・・狩り」は衰えるどころかますます盛況のようです。流行が次々生まれ、ひとつのブームは風のごとく過ぎ去っていくこの世の中で、この「・・・狩り」は無くなりも、衰えもしない。
人間の本能的行動が「探し見つけて取る」ことと、人間のご先祖は猿であることから考えると、人間の本能的食物は「木の実」であるのではないかと思うのです。つまり、フルーツです。本能的食物とは、このシリーズの初回で書きましたように、毎日毎日、来る日も来る日も食べ続けても飽きることがない食物です。
フルーツという食物は、人間に飽きられることがない食物ということになると思います。ここでいう人間というのは、当たり前の事ですが、国・人種に関係なくすべての人間に当てはまるということです。
フルーツが人間の本能的食物ということになると、フルーツの風味というのは飽きられることなく、人間にとって永遠に普遍の風味であり、流行に押されることのない風味であると結論づけることができると思います。
フルーツの香りを不快に感じる人は、おそらくいないと思います。人間にとって本能的食物の香りなのですから。仮に、不快に感じるフルーツがあるならば、それは何かトラウマ的要因とか、後天的な要因などによるものと考えます。
次回へ続く
[やっとかめ]