香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2008年07月15日

原料高騰の波~新規市場?~

ここ最近は、様々な原料価格の高騰により食品自体の値上がりが余儀なくされています。私たちも、会社ではコスト高に頭を悩まし、家庭においては日々の生活費がUPして財布の中が苦しくなっていく一方で・・・やり場の無いストレスを感じるばかりです。
先日、ある焼き鳥屋さんのご主人との会話で、私が香料会社に勤めている話になったところ、「醤油とか、ウチで使うような材料の香料って作れるのですか?あれば、一度サンプルみたいなものを見せてもらえませんか!?」という。
「弊社では、その分野の香料は少ないのですが・・・製品としては存在しますよ。」と答えた所、「ホントですか?何か有れば是非見たいので、今度教えて下さい。」「はぁ・・・・・・。」
お客に対してのお愛想的な会話かと思ったのですが、顔がかなりマジ!
店の外観は、昔ながらの古ぼけた感じだが(ご主人さん、すいません)、味の評判がすこぶる高く、ゴールデンタイムには毎日ほぼ満席になるぐらい地元では有名で、私自身もよく利用する。
主原料である肉や野菜をはじめ、タレや一品料理の調味に欠かせない原料である醤油なども含め、あらゆるものが高騰してコストが上がりすぎて大変らしい。
そのお店の性格上、そんなに簡単にはレシピを変える事は考えられないので、やはりご主人の愛想か好奇心には間違いは無いのでしょうが、冗談では済まされない今の厳しい状況が顔に出ていたのでしょう。

ともあれ、香料に対しての認識や要望が増える事は非常に嬉しい事なのですが、伝統の味を守るという事を考えると、何でも手放しで喜ぶわけにはいかない。
伝統の味、新しい風味の創造、それぞれの良さを大事にしていきたいものです。どちらも豊かな食生活には欠かせないものですから、共存共栄であるべきですよね。
値段が高くなっても今までのレシピと味を選ぶか、レシピを変えてでもお客様の財布に優しい商品を提供し続けるか・・・皆さんならどっちを選ぶでしょうか?

[カオリーマン]

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