香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2008年08月12日
幻の・・・!?
毎年、夏になると子供のときの感覚が甦る。
車などで走っていると、あのくぬぎの木は大きそう、きっと樹皮はゴツゴツして、
カブトムシ、クワガタがたくさん居るんだろうな、など、いろいろ想像してしまう。
こないだ少し時間があったので、虫が居そうと感じた木に近づいて見ることにした。
そばまで歩いて行くと、甘く醗酵したような何とも言えない香りが漂って来た。
カブトムシ、クワガタの好む樹液の香りだ!
これは居るぞっと、
その香りのする辺りを良く見てみると、たくさんの樹液が垂れていた。
昼ということもあって(カブトムシ、クワガタは主に夜行性)集まっていたのは
カナブン数匹、スズメバチ1匹、少し上に目をやると大きな蝶が1匹、樹液を吸っていた。
その様子をしばらく眺めていると、蝶が羽をひろげて飛び立った。
国蝶のオオムラサキだ!
図鑑とか標本では見たことがあったけど、生きているのは始めてだ。
本当にきれいな紫色の入った模様だ。
そいつは堂々と、私の周りを見せ付けるかのように旋回し林の奥へと消えていった。
カブトムシ、クワガタは見られなかったけれども、始めて見る国蝶の、
生きたオオムラサキに、少しトクをしたような、
不思議なワクワク感を味わった瞬間でした。
カブクワ