香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2009年01月06日

「香り」雑感

新年明けましておめでとうございます。昨年続き「香り屋日記」新年に登場となりました。本年もよろしくお願い申し上げます。

新年を迎え、新たに「香り」の奥の深さを感じる今日この頃です。「香り」の仕事を始めてもうウン十年になりますが、この歳になればもう少し見極める力が付いているものだと思っていましたが、見極めるには程遠く、日々新しい発見の連続です。

いくら科学的に解明されても我々が扱っている「香り」はというものは、「感覚」に訴えるものが必要となります。その「感覚」というものが、十人十色、千差万別、なかなかつかむことができません。

「香り」は目に見えないもので、「感覚」で感じるもの、我々の仕事は、お客様とのやり取りの中で、この「感覚」をいかにコミュニケーションするかが重要となるわけです。この「感覚」を伝えるのは言葉しかないわけで、そこが難しい。「もう少し甘い感じに]といってもその甘さにもいろいろあって、なかなか判断できません。「感覚」を言葉で表現するのは至難の業です。

そのうえ、我々が扱う「香り」は、素材の風味と組み合わされて使われるので、気の遠くなるような組み合わせが存在するわけで、配合、製法、原料などそれぞれ少しの違いで感じ方も変わってきます。極めるなんてことは到底できないでしょう。

だけど、そこをなんとか近づこうとするわけで、それにはにおいを嗅いで食べるしかない。おなかはポッコリ、歯はボロボロ、そうそう以前にお話しした、取り外しのできるやつになってしまいました。(トホホ・・・)

世間では今年は厳しい年になりそうだとか。
明るい話題は少ないようですが、心だけは前向きに明るく、いつの日か見極めることを夢に見つつ、いきたいものです。
                  
[飴作]

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