香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2009年07月21日
はじめまして
初めてお目にかかります。新入社員の片岡でございます。
入社して早3ヶ月、現場の力仕事により、筋肉とは無縁のひょろひょろだった腕が確実に太くなって参りました。ただ腕以外はそうでもなく、このまま行けば大変バランスの悪いボディーになることを今から不安に思っている次第で御座います。
くだらない話で行数を稼いだところで、香り屋日記のテーマである「香り」について…。
香料の仕事に携わるようになってから、食べ物や飲み物を買ったときに裏に表示されている成分表を見るようになりました。そしたら必ずと言っていいほど香料が入ってますね。
僕の今までの香料のイメージは、正直あってもなくてもどちらでもいい存在だと思っていましたが、今では食品にとって欠かせないモノなんだなぁと実感しています。おかげ様で毎日お仕事ができてお給料が頂けるワケです。ありがとうございます。
香料、というか匂いには記憶をフラッシュバックさせる不思議なチカラがあると思いませんか?匂いは、写真(視覚)や音楽(聴覚)よりも記憶を刺激するという話をどこかで聞いた事があります。例えば食べ物に限らず、街ですれ違った人の香水が、昔好きだった人と一緒だったらドキッとしたり、なんの繋がりもない場所で嗅いだ匂いでふと懐かしい気持ちになったり…、え?ないですか?実際、僕は職場で毎朝懐かしい気持ちになってから仕事をスタートしています。それは原料が保管されている冷蔵庫のドアの前で嗅ぐ匂いです。それも条件があって、①朝の②冷蔵庫の中から出てきたときにしかその匂いがしないのです。どう表現したらいいのかわかりませんが、なんとも懐かしい気持ちになるのです。不思議ですね。飲み物などで「懐かしい気持ちになる風味」とかがあればバカ売れだと思います。まあ人それぞれ感覚が違うので不可能でしょうけど…。
とまあ匂いについて書いてみましたが、改めて考えてみると匂いって食べ物の味の一部であり、記憶をよびおこす不思議なチカラがあり、意外と奥が深いものだなと感じました。では今回はこの辺で失礼します。
[たいち]