香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2013年06月18日
「食品添加物の話」
先日、長女が通っていた保育所の同窓会に行ってきました。
淀川の河川敷でバーベキューをしたのですが、大勢の子供+食べ物が関わると必ず問題になるのがアレルギー。そして食品添加物。今回は一部の家庭からウインナーの発色剤に物言いがつきました。
数ある食品添加物の中でも、悪者扱いの代表格である発色剤。加工食品中でニトロアミンを形成し、発がん性を有すると言われています。
ただ、食品添加物肯定派の私から言わせると、発がんの危険があるは大量に発色剤が入っていればの話。実際は食品衛生法により、無害と確認された量よりもはるかに少ない量しか使えません。理論上は安全です。
そもそも、ウインナーやハムに発色剤を入れる理由をご存知でしょうか?
理由① 肉の中のミオグロビンやヘモグロビンと反応し、肉の色をピンク色に固定します。
(肉を焼くと普通は褐色になりますが、ウインナー等はピンク色のままです)
理由② 菌の増殖を抑制。通常の加熱では死滅しないボツリヌス菌も抑制します。
理由③ 個人的にはこれが一番重要!肉の獣臭を消して、ウインナーやハム特有の風味を付けます。ようするに発色剤無しで、あの味はでないという事です。
これが発色剤を入れる理由。色の固定はともかく、菌の抑制や風味づけはとてもメリットがありますよね。
発色剤に限らず、食品添加物とは安全性向上や新たな風味の付与など何等かの価値があるから添加されています。我々の生活に無くてはならない物だと思うんですがね。あくまで個人的な気持ちですが。
長々と書きましたが、我が富士香料化工も香料を扱う食品添加物製造メーカー。食の安全性や美味しさを追求していきたいものです。
もしこの世の中にフレーバーがなければ、けっこう味気ない食生活を送る事になるはず。食品添加物否定派の方、香料は否定しないでほしいなぁ~。
[にわかランナー]