香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2013年06月25日
クチナシの花
あっという間に日差しの強い季節がやってきました。
この季節になると、帰り道を楽しませてくれる香りがあります。
クチナシの花の香りです。
毎年、梅雨に入ったころ、湿ったなまぬるい空気のなかに、クリーミーでこってりと甘い花の香りが道に広がります。
クチナシの花の香気成分は桃の果実やジャスミンの花にも共通する部分があります。私はこの花の香りが大好きで、帰り道に香りがすると、夏が近づいた知らせのようでうれしくなります。
かんかん照りに強い日差しの中よりも、日が落ちてからの少し湿った空気の中で強く香ります。
会社の近くの垣根にも、最近一つ二つと花が咲き始めました。
夜道にぽつりぽつりと白い花がついているのを見つけると、そこだけ明るく光っているようでとてもきれいです。
[猩々]