香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2013年08月27日

「塩と涼」

今年の夏は例年以上の猛暑となりましたね。弊社でもその影響も受けて、アイスクリームや飲料、デザート向けの、いわゆる「夏物」といわれる香料の出荷量も例年以上となりました。
しかしその反面、猛暑に関係する悲しいニュースも跡が立たなかったのも残念であり、印象的な夏になりました。
最も多かったのが熱中症に関する事でしょうか。数年前から特に塩分補給が熱中症対策として重要という事が慣例化され、「塩」を謳った商品がお店の棚にずらりと並んでいます。昔から夏の炎天下の下で肉体労働をする人達は、家から塩を舐めたり梅干しをつまんだりして補給をしてきたらしいので、実際には新しく出た熱中症対策ではないのでしょうね。その道のプロと呼ばれる人達の知恵が形を変えたものでしょう。その道のプロの知恵、生活の知恵・・・先人達の知恵が今もなお活かされ続けていると感じます。
現在では、その塩を如何においしく便利に補給するか!?が塩関連商品のキーワードとなっています。当社の役割としては、塩味と相性の良い新たなフレーバーを模索し、そのより良い香りの開発と提案ですが、通常思い浮かぶ塩味を利かして食べるお菓子やフルーツ等は、すでに出尽くしていて新しさもありませんのでボツです。来シーズンに向けては新たな相性の発見が必要でしょう。これからしばらくは来年の香料業界版「猛暑対策」の話し合いがなされそうです。
ところで皆さんはこの夏は色々と楽しめましたでしょうか?海水浴、キャンプ、山登り、花火、夏祭りetc・・・夏は日中も夜も楽しめるイベントが有っていいですよね。
私事ですが、少し地味な観光?をして来て印象的だったのが京都の石清水八幡宮の「夜の特別拝観」。
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ごらんのようにローカル感たっぷりで・・・途中までケーブルカーに乗ります。


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 駅からはこのように提灯を持って山上にある本殿に向かうのですが、人も少なく暗い山道を歩いてゆくので独特の雰囲気。この日も熱帯夜の気温ではあったのですが、緑の香りが混ざった優しい風と神秘的な景色と相まって体感的にかなり涼しく感じられました。

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................................................................................................ (違う意味での寒気も・・・)

香料においてはメントールなどのように冷たさや爽快感を感じる事もできる事から、それらを利用した提案も行ってきましたが、このように抽象的なもので涼しさを得られるような効果を、香料と食品にも表現できる方法がないものかを考えてみたいと思います(笑)

[カオリーマン]

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