香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2014年07月15日
味覚の行方31
夏がやってまいりました。小学生の時、私たちの時代は夏休みが終わると学校で肌の黒さを競う「黒ん・・大会」というものが行われていました。大会名が今では不適切な言葉にあたるのではっきりと言えませんが、これは夏休みの間にいかに外で健康的に過ごして、肌の色を黒くしたかを競うものです。大会名の言葉ひとつとっても今では考えられないですが、大会自体も今では考えられないものでしょう。しかもそれが学校で行われるなど。今行われれば抗議殺到でしょう。子供を太陽の光により多くさらし、それを競うとは。
日焼けはシミの原因になるどころか、皮膚がんのおそれがあり、日焼け対策クリームが多く出回るほど今では避けられる傾向が強くなっています。ときには過剰と思えるような人もいます。確かに日焼けはシミなどの原因や皮膚がんの原因となるとは思うのですが、それは過度な日焼けによるものだと私は思うのですが・・・。過度に浴びる可能性のあるときには対策グッズは必要でしょうが、普段の生活で執拗に避けるのはどうかと思います。
シミにしてもシミシミと目の敵にしていますが、シミ自体は悪いものであっても、その悪いシミがあったからこそ、別の何かの害を防いでいる役目をなしているかもしれません。それは寄生虫だ菌だと徹底的に排除してきたが、実はある程度は必要だったのではと最近になって言われ始めているのと同じことのように思います。
それでもシミが結局悪いものであったとしても、ここでこうして暮らし、生きていられるのもお日様のおかげだと私は思っているので、私は太陽の光をいっぱい浴びて、小学生の頃のように真っ黒になります。お日様を避けるなど、罰があたりそうでとてもできません。
私はこれからも真っ黒になり続け、シミだらけのおじいになって、その時シミとはいったいどういうものであったかを自分の体で実証したいと思います。たとえその結果、蚊が血を吸っておきながら痒みを残すのは刺されたことを気付かせることだという、そんな危険信号的意味合いであったとしても、それはそれでいいと思います。お日様のおかげでここまで生きてこられたのですから、少しくらいの悪さをもらったってそれはそれでいいんではないでしょうか。
[やっとかめ]