香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2014年11月11日
秋も深まりました
木々も色づき始め、このあたりでは紅葉シーズンを迎えています。
観光地では多くの人でにぎわっています。
先日、あるお寺に行った時のこと、お線香の煙がもうもうと立ち込める中、若い男性が「俺、線香の匂い好きやわ~。なんか癒されるねん。」と彼女と思しき女性に語りかけているのを耳にしました。少し意外な気がしましたが、我々日本人には結構このような香りは浸透しているのかもしれませんね。
そこで、線香について少し調べてみました。
お線香起源は古く、聖徳太子の時代、淡路島に香木「沈香」が漂着したのがはじまりとされています。以降、仏事や神事に使われるようになりましたが、現在のような棒状の線香の形になったのは江戸時代の初め頃からだといわれています。
広辞苑によると線香とは、「白檀(ビャクダン)、丁子(チョウジ)、沈香(ジンコウ)、安息香などを松脂(マツヤニ)などの糊料で固めて線状にしたもの」とあります。
私自身身近ではありながら、あまり興味もありませんでしたが、インターネットとで調べてみると、香りを凝らした数多くの商品が販売されているのに驚きました。
あるメーカーでは、祈りの香り、癒しの香りと分けているところもあり、いろいろな需要があるようです。
そういえば、住宅事情からかここ最近あまり使わなくなりましたが、蚊取り線香も、昔ながらの香りに加えて、ローズの香り、森の香りなども販売され、香りに対する意識が高まっているのかもしれません。
日頃は、仕事の関係上食品関係の香りに、鼻が行きがちですが、もう少し鼻野(?)も広げていきたいと思いました。
[飴作]