香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2014年12月16日
味覚の行方32
ゴルフをしているとスコアがそんなによくないのに気分がいい時と、その反対にスコアがいつもよりいいのに気分がすぐれない時がある。自分が思ったように打てていないのに結果オーライ的に無難にスコアがまとまっている時は、どうもしっくりこない。でも、スコアは悪いが自分が思っているショットが打てている時は気分がいい。たとえ、少々別のところでミスしていても。自分が思い描くショットが打てた時は快感を感じる。自分が思い描いたものがその通りそうなった時は快感なんです。
これはゴルフに限ったことではない。レースにしてもそうです。3がチルトを+1にハネて捲るのは目に見えるが、1もスタートは早く、3が捲りきることは難しい。3の捲りに1が抵抗して、1と3は流れる。4は3が捲るのは予想しており、4カドなのにチルトは-0.5の設定。しかも、風は追い風。1マークでの捲りは難しくなる。こうなれば、4の差しだと頭の中でレース展開が描かれる。頭の中で描いた展開が、この通りになった時はやはり快感である。
ものづくりにしてもそうです。自分で思い描いた通りのものが出来上がれば、これは快感です。この快感を一度知ってしまうと、はまる。はまるとさらに上の快感を目指す。人から見たら「しんどくないのか」と思えるかもしれないが、はまっているのでまったくしんどくない。
以前ゴルファーの片山晋呉とレーサーの松井繁が対談していた時に、松井繁が「最初はお金ではあったけれども、お金じゃない」と言っていたのが印象的だった。はまってしまったものは、もう仕事の域から飛び越えてしまっているのかもしれない。
[やっとかめ]