香り屋日記

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香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。

2016年06月21日

衝撃

年齢を重ねるにつれて、衝撃を受けるということは少なくなってきます。十代の頃は音楽でも映画でも理科の授業でもなんでも「うおおぉぉお!」と思うことが多々あったと思うのですが、今では悲しいかなそんなことはあまり起こりません。そんな中、最近「えぇぇええ!?」と衝撃を受けたある事実を知りました。それは「二重スリット実験」という実験です。どんな実験かというと...ここではうまく説明できないのでインターネットで調べていただきたいのですが(わかりやすく解説された記事や動画がたくさんあります)、この実験によると原子以下の小さい電子や素粒子や光子などの量子と呼ばれるものは、これまで我々が見てきた物理的な常識がまったく通用しない不思議な振る舞いをするそうです。仕事上、分子構造式を見たり、香気成分を分析する際に用いるガスクロマトグラフィーマススペクトル(GCMS)には電子が使われたりと、原子や電子は何かと関わりがあるのですが、この実験での電子の振る舞いを深く考えていくと、今自分が見たり感じたりしていることは、実は実態がないものなんじゃないのか?といったような、映画マトリックスにも通じるような妄想が働いて、頭がおかしくなってしまいそうになります(怖い!)。
大学で生物のことを勉強していたときは、「科学ってこんなことまでわかってるんや、すごいな。」と感心することばかりでしたが、30歳手前にして「科学でわかっていることって、実はまだホールケーキでいうと1/16カットぐらいなんかな...。」と、これまでの価値観がガラガラっと崩壊しつつある今日この頃です。僕が生きている間に二重スリット実験の謎が解明されるのか、楽しみです。

たいち

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