香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2016年07月19日
お箸の匂い
昔に屋久島へ行ったとき、屋久杉でお箸を作りました。あまり使用していないので、今でも良い香りがします。とても素晴らしい旅でしたので、たまにお箸を匂って思い出してはほーっとしています。
屋久島地方の杉の幹の精油には香気成分の一つが他の杉より20倍多いそうです。油分が他の杉より多く、それは環境に適応するためで、油分を蓄え浸食を防ぐことで長寿の杉が育っているそう。その精油は癒し効果が認められているそうで、箸を匂って落ち着くのもなるほどと思いました。思い出だけではありませんでした。そういえば箸の切り屑もあったのですが、散らばってしまって捨ててしまったのがもったいないことでした。
屋久杉は聚楽第や大阪城建設に使われていたという説があるとかで、本当なら贅沢すぎるし、それらはもう無いのでもったいないことです。切り株や倒木から新しい木が育っているのを見た記憶があります。きっとそのとき伐採された屋久杉は今では新しい木の土台になっているのでは。杉でない木も生えます。2つが1つになって育ちその倒木がついに朽ちてしまって木にトンネルが出来ていることも。
そんなことを書いていたらまた行きたくなりました。とりあえず、箸の香りが飛んでしまう前に屋久杉の精油を購入したいと考えています。
マサコ