香料屋さんが綴る、「香り屋日記」香りに関わる富士香料化工のスタッフが、日々感じた事を連載していきます。
2018年06月19日
香りを感じる季節
6月に入り、私の苦手なアレがやって来る季節となりました。梅雨です。。
髪はいつにも増してモサつき広がり、靴は濡れ、洗濯物は乾かず、うっかり冷蔵庫に入れ忘れたパンはあっという間にカビカビに...ジメジメムシムシしてどうしてもテンションが下がってしまいます。
でも、雨が降ると植物の香りをより強く感じる、と言われることがあるように、この梅雨特有の高温多湿な気候は、香りをより強く感じられる条件とも重なります。
香り成分は温度が上がるほど気化しやすいため、気温が上がるとそれだけ空気中にたくさんの香り成分が飛ぶことになります。また、晴れた日は空気が上へ上へと上がっていくのに対し、曇りや雨の日は空気が地上に留まるため、香り成分もより長く空気中に留まり、それだけ強く感じられるのだとか。
そういえばコーヒーは淹れたての温かい方が香りが分かりやすかったり、休日に香水をつけて出かけると、夜お風呂に入った時にまたその香りがふわっと上がってきたり、温度・湿度と香りの感じ方の違いは普段の生活でも探せば色々と思いつくものです。
雨が降ると外に出るのが億劫になりがちですが、思い切って出掛けてみたら、普段感じない新鮮な香りを発見できるかもしれません。
もっく